コラム

「日々挑戦・日々感動」第5回 ―初めてのユーザーレビユー

 

平成29年9月11日、銀座の東劇でMETライブビューイングの《トゥーランドット》を鑑賞した。当日は上映前に、特別企画で田代万里生氏と朝岡総氏によるトークイベント「トゥーランドットを熱く語る」が用意されており、450席の劇場は満席であった。約9割は女性で、私は目にするまで万里生氏は女性なのだろうと思っていた。
開口一番、朝岡氏が田代氏の名前の由来を説明してくれた。オペラ歌手であるお父さんが、イタリアのテナー歌手マリオデル・モナコにあやかって万里生と命名したのだという。モナコの「オペラ・アリア集」のCDをよく聴いている私は、お父さんの願い通りになったような、若くて爽やかで二枚目歌手、万里生氏に親しみを覚えた。

 

この日の上映作品は、2009年11月7日にメトロポリタン歌劇場で上演されたゼフィレッリ版である。日本に配信された時、私は絢爛豪華な舞台に圧倒され、劇場に2回しか行けなかったのを残念に思った程である。
田代氏は、ニユーヨークに行った時に、前から観たいと思っていたゼフィレッリ演出の《トゥーランドット》がMETで上演されていることを知り、運よく鑑賞することが出来たと、喜びを感動を交えながら話してくれた。田代氏の話に刺激されてか、この日は、アリアや合唱団の歌声がオーケストラの旋律に乗って心にビンビン響いてきた。
《トゥーランドット》! オペラ! 何と豪華で贅沢な楽しみなのだろうとつくづく思った。

 

次の日、ヤフージャパンの上映映画情報で《トゥーランドット》のユーザーレビユーを開いてみた。他の人はどんな感想をもったのか、知りたいと思ったからである。この欄は、映画を観た人が感想や評価を五点法で採点するもので、例えば映画《ダンケルク》3.76点、《この世界の片隅で》は3.96点と評価されている。私は今迄、METライブのユーザーレビューには、あまり関心がなかった。何故なら投稿者はいつも1~2名で、評価は、ほとんど4.5点になっていたからである。ところが何と《トゥーランドット》の評価は最低ともいえる1.86点になっていた。これは観るに値いしない作品ということになる。ゼフィレッリ版の名作オペラが何故? 信じられない思いで採点理由を開いてみた。投稿者は13名で、3名が5点をつけ、他に10名は1点をつけていた。更に詳しく調べてみたら投稿者は全員が2010年の1月で、殆どの人が年の瀬に、銀座の歌舞伎座で上映されたのを観た人達であった。

 

理由は、音響が馬鹿でかい上に映像も良く無かったと書かれていた。でもMETのオペラは最高で、作品、演出、歌手は申し分ないと書き添えてあった。投稿者はそれぞれオペラ通で、音に敏感な人達なのだろと思った。しかし、1点は厳し過ぎる。ユーザーレビューは、誰もが見る映画情報欄である。もし「オペラを観てみようかしら」と思った人が《トゥーランドット》の上映を知っても1.86点では、観る気が失せてしまうだろう。オペラファンを増やす上でもこれではまずい。それにプッチームにも、MET関係者にも申し訳ないような気持ちになった。そこでたまらずユーザーレビューに投稿した。

 

――絢爛豪華な舞台に圧倒されました。――  
「以前、第2国立劇場の会員になっていたが、耳が少し遠くなったため、3階の1万円席からは舞台が遠く、感動が得られなくなった。オペラは諦めようと退会した。そんなときに知ったのがMETライブビユーイングである。今は、毎シーズン全作品を観るようにしている。耳が少し遠い私には、微妙な音響の差は分らないが、この《トゥーランドット》は、絢爛豪華な舞台、超一流の歌手や合唱団の歌声がオーケストラの旋律にのって、心にビンビン響いてきた。カメラは場面をアップを映し、オペラグラスもいらない。オペラとは何と豪華で贅沢な楽しみなのだろう」
勿論、総合評価は、最高の☆5つにした。

研修担当者の皆様へ

「どのような研修を企画すれば、自分たちの組織のためになるのか」
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私どもが目指すのは、受講者はもちろんのこと、ご担当者にも満足していただける研修です。
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