コラム

一日一信の会発起人

朝、保育園の園児たちが5,6人、箱車に乗っているのに出会いました。2歳ぐらいの、まだヨチヨチ歩きの子どもたちでしょうか。どこ行くの? と尋ねますと、若い保育士さんが「ポストに行くのね。パパとママにお手紙を出すんです」と教えてくれました。すてきだなとうれしくなりました。

娘が幼稚園に行っているころ、よく手紙を書いていました。宛名は園長先生です。園長室に手紙を持って行くと、必ず返事を下さるのです。封筒には赤や黄色のマジックペンで、きれいな切手の絵がかいてありました。子どもたちはうれしかったでしょうね。そのときに手紙を書く楽しさを味わった娘は、手紙を書くのが好きな女の子に育ちました。

 

では、「一日一信の会便り第1号」(199412月発行)から、発起人の一人、小林勝次の文章を転載します。

 

きっかけは坂田成美氏の講演に感銘して
―― 書くのが苦手から書くのが好きに ――

好きで得意なことをまっすぐに進んで活躍している人がいる。一方、不得手なるが故の苦い失敗から、必要に迫られて始めたことを、そのまま続けている人がいる。私の「複写はがき」は正に後者である。
農家だからと言うのはおかしいが、私の育った環境には、手紙を書く習慣がほとんどなかった。就職で東京へ出てからも、はがき1枚満足に書けない。礼状1枚書くのに何日も悩み、けっきょく出さなかったこともあった。話したり、書いたりすることに無精な人はつまらぬことで誤解を受け、トラブルを起こしがちである。そんなことから、まず話し方教室に通い始めた。

 

また、私は仕事の関係で、社長や役員、助役を経験した方たちにお世話になる機会が多かった。それらの方たちに共通して言えることは、「口まめ」「筆まめ」であることである。コミュニケーションを大切にしている人たちの行動をぜひ、真似したいと思っていた。そんな矢先、月刊誌「致知」主催で、坂田成美氏の講演を聞いた。坂田氏は、農業のかたわら複写はがきを書き始め、今では『ハガキ道』を提唱し、1日に30枚、年1万枚を目標に書き続けているという。
実践の中でつかんだ坂田氏のハガキ道哲学に深い感銘を受け、早速、私も始めることにした。昭和62120日、1枚目を書いた。しかし、枚数はなかなかはかどらず、1,000枚目を書いたのは平成5416日だった。63か月かかったことになる。

 

複写はがきのよいところは、何といっても控えが手元に残ることだ。しかも、日記と違い相手に出したものである。後で読み返すことにより、相手に向かう自分の考えや姿勢がよく見えてくる。会話でも、自分の発した言葉にこそ、自分を知るより多くの中身があるのだと思う。しかし、言葉は再現できない。
現在まで1,700枚ほど書かせてもらった。気が付いたらいつの間にか、書くのが好きになっていた。坂田氏のお陰と心から感謝している。
この度、発起人の1人として「一日一信の会」のメンバーに加わることにより、書くのが苦手と悩んでいる人に入会していただきたいと思っている。そのような人こそ、より大きな喜びを味わうことができるからだ。(*坂田氏は、途中から道信と名乗るようになりました)

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