母子の会話
電車の中ではいつも本を読んでいて、周りのことはあまり気にならないのですが、今日は違いました。隣に座っていた女の子とお母さんの会話が耳に入ってきます。どうしても耳を取られてしまうのです。今日、女の子は幼稚園を休んでいるようでした。話の様子ではお友達の男の子とケンカでもしたようです。
「それは二人で作っていたの?」
「うん、〇〇君と作ったの」
「そうなんだ。〇〇君と作ったの。楽しかった?」
「うん、楽しかった」
「そお、よかったね」
なぜ、ケンカをしたのかは外に置いて、楽しくてよかったということで終わらせています。このお母さん、すごいと思いました。女の子はお菓子の袋を持って、食べています。
「幼稚園ではおやつを食べる時間が決まっているんだよね?」
「決まってる」
「そうか、決まってるんだ。たくさん食べるの?」
「少しだけ」
「少しだけか。そうか、じゃあ、今日は特別だね。」
その後から出てきた言葉にグッときました。
「こんな日もあっていいよね」
お母さんのお仕事が終わったら、いっしょに遊園地に行くようです。どんなお母さんだろうと思って、首を横に向けました。目が悪いのか、黒いレンズのメガネをかけており、表情は見えませんでした。
おいしい?と聞くと、女の子は「うん」ととうなづきました。